〈interview〉キャニスターボトルのある風景 ー 陶芸家 室井夏実さん

〈interview〉キャニスターボトルのある風景 ー 陶芸家 室井夏実さん

公開日:2025/02/28

 

〈interview〉

キャニスターボトルのある風景
陶芸家 室井夏実さん

からりと清々しい冬晴れが続いた昨年12月。ちょうど近所のイチョウが見頃を迎えた良き日に、陶芸家の室井夏実さんがREN蔵前店へお越しくださいました。その手から生み出される愛嬌たっぷりの作品を通して、見る人にやさしい時間を届けている室井さん。日頃のものづくりへの想いや、RENとの出会い、愛用中のバッグについて話を伺いました。

 

“はっとする”人の表情をつい見てしまう

眺めているだけで目尻が下がり、こちらの毒気を抜くかのような、嬉しいことも悲しいことも包み込んでくれるようなあたたかさ。室井さんの作品を手に取るとそんな不思議なパワーを感じます。カップや平皿、箸置き、ブローチなど、一点ものである1つ1つの世界で描かれているのは、さまざまな動物と暮らしを共にしていたり、食事やお出かけをしているワンシーン。

室井さん「例えばこの『ぷかぷかシリーズ』は、飲み物を注ぐとその水面にキャラクターが浮かんでいるように見えるのですが、そういう小さな仕掛けに気付いてくださって、“はっとする”人の表情って、なんかすごく見ちゃうんですよね。いい顔してるなぁって。だから、ぜひ気軽に使っていただけたら嬉しいです」

「室井さんの作品から感じるストーリーも、使い方も、人それぞれ。そんな自由なものづくりが魅力」と語るのは、RENバイヤーの秋本さん。RENではこれまで3回ほど、室井さんの作品をお預かりしてPOPUP SHOPを開催してきました。

REN秋本「私が室井さんに出会ったのは、友人が贈ってくれたプレゼントがきっかけでした。1人からはブローチ、もう1人からは手ぬぐいを偶然それぞれからもらったのですが、当時はそれが同じ作家さんの作品だとは気付けませんでした。時が経って室井さんのことを認識し、個展などでさまざまな作品を拝見するうちに、とてもユーモラスでゆるっとした世界観に改めて心を掴まれてしまって。自分で初めて購入した器は、また別の方へのプレゼントとして贈らせていただきました。その人が少しでも笑顔になってくれたらいいなと思って」

お休みの日にほっと一息つかせてくれたり、器を見てクスッとしたことで、それまでの日々の慌ただしさにハッとさせられたり。そんな室井さんの作品を手に取っていただき、深呼吸をする時のような、心を落ち着かせるぬくもりを皆さんにも感じていただけたら幸いです。

 

色落ちせずずっと綺麗なまま

もともとレザーものがお好きだという室井さん。愛用いただいているRENのキャニスターボトルは、ちょうど1年ほど前に蔵前店で出会った物とのこと。ミモザとブルーヘイズの2色で悩みに悩んだ末、ちょうど近くでお茶していた友人を呼び出して相談し、最終的に選ばれたのはミモザカラーでした。

室井さん「レザーのカバンは何点か持っているのですが、これほどカラフルな物を買ったのはこのキャニスターボトルが初めてだったんです。革といえば、キャメルやブラックの風合いの経年変化も楽しみのひとつだと思いますが、これは色落ちや色移りがしにくいのでずっと綺麗なまま。また新たなレザーの魅力を教えてくれました。自分の好みの服にも合わせやすいので、この色にして正解でした」

 

想像以上の軽さと収納力

内ポケットのないシンプルなつくりで、収納物の重みでシュッと口が閉じてくれる使用感も魅力的なキャニスターボトル。そんな話をしながら室井さんがカバンの中身を取り出してくださったところ、テーブルの上に並んだのは、スマホ、財布、文庫本、お手製のぬいぐるみ。

室井さん「想像以上に物が入るんです。これ1つでどこでも行けますし、オールシーズン使っています。やっぱり革ものって重さがネックになりがちなのですが、これはすごく軽いので、『今日この服着るならカバンはこれを使いたい、けどちょっと遠出するには重いんだよなー』なんて悩むことも無くて」

 

ちなみに室井さんのキャニスターボトルは、「En(エン)」という、マイクロピグメント顔料を使用した牛革製のもの。分厚く硬い質感が魅力的な牛革の中でも、シュリンク加工を施すことでほどよく柔らかな仕上がりを目指しました。高発色で耐光性が高く、水シミができにくくとても扱いやすいので、レザービギナーにもおすすめです。25SSシーズンのキャニスターボトルシリーズは「En」「スティル」「ハリー」といった豊富な素材バリエーションでお届けしますので、どうぞお楽しみに。

 

取材中、古着や革製品・木工品に熱中しているという息子さんのエピソードにも話が大きく脱線してしまいました。手入れしながら物を使い続けているご両親の姿を見て育ち、トレンドに左右されず、「自分がいいなと感じるもの」を大切にされているようなご様子が伺えて、スタッフ一同とても興味深く聞かせていただきました。

-PROFILE-

室井 夏実
陶芸家。暮らしの中のささやかなワンシーンを切り取り、ユーモアたっぷりにイラストや陶芸作品で表現。見る人をクスッと笑顔にさせる独自の世界観が、国内外のファンから根強い人気を集めています。

Instagram:https://www.instagram.com/natsumi_muroi

 

 

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