あのひと、にあう革。〜麻生要一郎さんに、「メルカドトート」〜

あのひと、にあう革。〜麻生要一郎さんに、「メルカドトート」〜

公開日:2025/06/10

 

〈interview〉

あのひと、にあう革。
〜麻生要一郎さんに、「メルカドトート」〜

 

持ち歩くものを、いかに減らすことができるか。それは、無理をして諦めるのでは決してなく、いかに自然に、気持ちよく「自分を律する」ことができるか。

たったひとつのバッグを持つことで、それがかなえられることを教えてくれたのは、料理家・エッセイストの麻生要一郎さん。

その柔らかな表情から、色気のある佇まいから滲み出る、まるで使い込んだ革のように味わい深い人。

「この人なら、メルカドトートがきっと似合う」。

ひと目見た瞬間そう感じた私たちは、実際に使ってみていただけませんか?と、お願いしました。

そして、数ヶ月後。訪れたのは、マンションの一階にあるアトリエ。

 

庭には大きな枇杷の木が繁り、友人たちから引き継いだという調度品が、居心地よさそうに佇んでいます。

 

あたかも秘密基地のような、ほの暗くもこっくりあたたかな空間で、かぐわしくつめたいお茶を飲みながら、じっくりと、ひそやかに。

 

 

ちゃんと入る、
けど入り過ぎないサイズ感。

「誰かがね、バッグを持ってくれようとした時『重たっ』となることが、すごく多いんですよ。『何入ってるんですか?』みたいに言われる」

わりとふだんは荷物が多くなる傾向がある、という麻生さん。

「あれもいるかもしれない。これもいるかもしれない。移動先でこの書類に目を通しておいたほうが、明日ラクかもしれない。そんなふうに思うと、ついね。

『ちょっと気分転換に』と言いながら、大きい袋を持って散歩したら、もう最後。いろいろ買いすぎて、本当にどうしようもなくなる」

その点、メルカドトート。

幅28cm、高さ24cm、まちの奥行きは13cm。ハンドルの長さは約38cmと、小さなカゴくらいのサイズ。

 

「持っているバッグのなかでは小さいほうなんですけど、それくらいが、今の自分にはちょうどよくて」

なるべく荷物を減らしたい。軽やかに前に進みたい。メルカドバッグに入るものを厳選することで、それを試みていきます。

「まずは財布でしょ。名刺入れ、エコバッグ、ペンケース、コード類が入ったケース、あとカメラ。で、さっき突っ込んじゃった書類。『これがあれば、とりあえずは大丈夫』というものがぴったり、ちょっと余裕があるくらいの感じで収まったんです」

また「ちょっと本を1冊買ってしまった」みたいなときも「ちゃんと入る、だけど入りすぎない。このサイズ感が、すごく考えられているんだなぁって」

 

 

 

ふだん使いにも、
フォーマルな場にも。

革のバッグは好きで、すでにいくつか持っているという麻生さん。

「それに比べても、これはとくに柔らかいのかな。一番は、持ち手ですよね。ここが柔らかいって、実はすごいラクなんだなと気付きました。

たとえば、食材を大量に買わなきゃいけないとき。

「“おばさん持ち”みたいに、3つくらい腕にかけて買い物することもあるんですけど、これだと持ってても疲れないんです。いわゆるエコバッグのような感じでもなく、しっかりとはしてるんですけど、フィット感もあって。

あとはやっぱり、フォーマルな場所にも合うんですよね。

ふだん使いもできるけど、ちゃんとしたホテルとかに、ふらっと入っていってもいい。これは、すごいなと」

先日、あるハイブランドの新しいショップが銀座にオープンし、そのレセプションに招待された時にも、メルカドトートを携えていったそう。

「こういうときのバッグ選びって、実はすごく難しくて。ブランドもロゴだったり、ワンポイントのあるものだと『ここに行くのに、このバッグはマズいかな?』と考えてしまって、シーンを選ぶ時がある。ただこれはそうした主張がない分、いいなぁと思いました」

 

 

誰かの視点より、
自分の視点でものを選ぶ。

「洋服はわりとずっと好きで。やっぱり常に誰に見られてるか分からないから、カジュアルであっても、きれいに見えているっていう状況は作っておきたいな、とは思っています。

ただまあ、過剰にならなくていい。最近はとくに、誰かの視点っていうよりは、自分の視点でものを選びたい。快適である、ということが、すごく大事なのかなと思います」

 


ーPROFILEー

麻生要一郎さん

料理家、文筆家。家庭的な味わいのお弁当やケータリングが、他にはないおいしさと評判になり、日々の食事を記録したインスタグラムでも多くのフォロワーを獲得。料理家として活躍しながら自らの経験を綴ったエッセイ&レシピ『僕の献立 本日もお疲れ様でした』『僕のいたわり飯』『僕の食べもの日記365』(すべて光文社)を刊行。また昨年、自身の思い出を彩る飲食点案内『僕が食べてきた思い出、忘れられない味 私的名店案内22』(オレンジページ)などの著書がある。雑誌やウェブサイトで連載多数。

公式サイト:https://www.instagram.com/yoichiro_aso

 

 


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