植物の樹皮や葉などから抽出された“渋”を利用する伝統的な手法、ベジタブルタンニンで鞣された牛革です。コシのある風合いの、引き締まった繊維が牛革らしさ。さらに少し漉いて厚みを薄くし、耐久性は損なわないまましなやかに、絶妙なバランスで調整しています。繊維の密度は比較的低いため裏面はボソボソと毛羽立ちやすいところ、丁寧に処理することで、滑らかな質感に仕上げてあります。使うほどに深い色味を増していく、革らしい変化も見られます。手の脂や汚れが表面にのっていくタイプとは違い、革の奥までまんべんなく入っていく印象。ときどき手入れしながら育てることもでき、革好きの心をくすぐります。
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