公開日 : 2024/03/29
あのひと、にあう革。
〜奈良伶華さんに、「ハリー」〜
あまり知られていないことですが、 RENでは豚革のハリーを使い、ヘアスタイリストが仕事道具を収納するシザーズバッグを作っています。
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きっかけは、RENのスタッフが20年以上も髪を切ってもらっている、渋谷のヘアサロン「bloc japon」でした。代表の山本洋史さんにお話を伺いながら、デザイナーの柳本が形を考え、2012年に発売しました。
開発当時はなかなか販売数を伸ばすことができず、２年ほどで生産終了となってしまいました。社内でも『販売数の少ないものは、作る必要がないのでは？』という風潮が徐々に強くなり、いつの間にか、売れるものだけ作るようになっていました。
そして始まったコロナ。状況が一変し、自分たちのやっていること、やりたいことを、あらためて考えさせられました。
また2012年当時と比べて、できることや、考え方も成長している。だからこそ、小さな需要だとしても、もう一度、新しいデザインのシザーバッグを作り、販売してみたい。
そうした末、生まれたのが「シザーズバッグ・シグス」です。
cigs は、cigarettesタバコの略称です。山本さんがタバコを吸うことと、なんとなくタバコボックスに似てるなと思ってつけました。
ここに登場するのは「bloc japon」の哲学を引き継ぐ、若いスタッフたち。あたらしいシザーズバッグを実際に使ってみてもらい、感想と彼ら自身のことをインタビューしました。
また、作ってよかった。そう、強く思いました。
“盛れ”でもあるし、身だしなみ
bloc japonは、もともとお客さんとして通っていたんです。ヘアスタイルやカラーへの私のちょっと面倒なこだわりを、初めて叶えてくれたサロンだった。だから私も、お客さまの要望にしっかりと応えながら、新しいスタイルを提案できるような美容師になりたいと思っています。
オシャレするっていうような感覚を最初に持ちはじめたのは、中学3年の頃。高校は髪を染められるところへ進学しようと思うと、勉強も頑張れました。
髪型ひとつで、“盛れ”るじゃないですか。しかも、なんかちゃんとして見えますよね。盛れでもあるし、身だしなみでもある、みたいな。
シザーバッグも、オシャレな方がいいけど、プラス革製だと、なんかスタイリストっぽい。きちんと見えて、デキる感じがするじゃないですか。RENのこのバッグも、そこがいいなと思って、とにかく「可愛い！」ってひと目で気に入りました。
クタクタに汚しても、中は綺麗に
けっこう気にせず使っているので、まだ半年なのに、汚くてごめんなさい……。でも、シワや汚れはいいアジだと思うので、これからもどんどん使って汚していきたいと思っています。
シザーバッグは一室のものが多いですが、これは取り外しできるシザーホルダーがついていて、それが仕切り代わりに。スカートのときはポケット代わりにしたいので、仕切りの後ろ側にスマホを入れます。バッグの底に溜まった髪の毛で汚れがちですが、シザーホルダーを外せば掃除しやすい。いつも綺麗な状態で使えるんです。
ストラップも、めっちゃいいです。紐幅が細いし、大きなバックルもないスッキリとしたデザイン。腰に巻いて座ったときにも違和感がなくて、でも革なので、腰位置にうまくひっかかってくれます。
革は盛りやすい
美容学生時代から使っていた学校指定のシザーバッグは、ぜんぜん気に入ってませんでした（笑） ストラップがシートベルトみたいな素材で、大きなバックルもついていて、固くてゴワゴワするから、とにかく使い心地が悪かったんです。ストラップを自分で付け替えられればよかったのですが、それは取り外しもできないタイプで。
普段から、洋服も靴も、自分でアレンジしたりカスタムしたりすることが多いんです。ダボパン穿きたいけど、ウエストは大きすぎるから自分で詰める、とか。「この靴、ヒールが高かったら可愛いのに」と思ったら、かかとを足してみる、とか。
革のバッグは、穴空けてもいいじゃないですか。ピアスとか付けたいです。ホイップクリーム搾りみたいなのをストラップの根元に取り付けて、手袋用ホルダーにするのもよさそう。とにかく、革はデコりやすいイメージ。
仕事道具のなかでも、じぶん寄り
仕事道具については、デザインや可愛さで選ぶことがほとんどありません。このバレッタ（髪留め）も、デザインは気に入ってないけど、どんな髪でも留めやすいから。お客さまのことが一番ですね。
でもシザーバッグは、自分が使いやすいとか、自分的に可愛いとか、そういうので選べる、唯一の仕事道具なんです。
奈良伶華さん
bloc japonスタイリスト
URL：block japon
Instagram：@imr3ikq
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